佐野裕二さん著の、飲食店 店を強くする店長の人材育成力の感想です。
この本を読もうとした目的
飲食店をやっていると色々なスタッフと関わることになります。
うまく教育やコミュニケーションをとれることもあれば、何だか手応えを感じない。。。と思ってしまうこともしばしば。。
なにより、教育ができるスタッフを育てるためには、自分が教育の筋を持つことが必要だと感じ、読むことにしました。
この本から感じた3つの気づき
この本から特に印象に残った3つの気づきは、
- トライアングルコミュニケーションの考え方
- スタッフの長所を生かすマニュアル作成
- 評価の考え方
この3つに、特に気付かされました。
トライアングルコミュニケーションの考え方
僕自身はあまり好きな言葉ではなかったけど、よく聞いたことのある言葉として
『お客様がお金を払ってくれるから、皆のお給料がしはらえるんだよ。』
と、飲食店をしている人であれば聞いたことがある言葉かもしれません。
間違いとは言いませんが、
会社(お店)・・・スタッフ・・・お客様
この3つの相互コミュニケーションが取れていることが重要です。
お客様は、サービスに対してお金を払います。
会社(お店)は、お客様への感謝はもちろんのこと、スタッフが貴重な時間をつかって働いてくれていることを忘れてはいけない。
スタッフも、お客様への感謝と、仕事面で自身を評価し、お給料をくれる会社への感謝と信頼が必要。
3つの関係が感謝で繋がることが、大切です。
スタッフの長所を生かすマニュアル
この本ではマニュアルは大きく分けて3つの仕事に分類して作成します。
- 飲食店全般における基本的な仕事
- 思い描く理想のお店へとチャレンジする仕事
- スタッフ自身の長所ややりがいを発揮させる仕事
飲食店全般における基本的な仕事
流れを重視し、そこに関するマニュアルを作ります。
人・物・金、その流れに関わる部分は最低限マニュアル化し、基本的かつ皆が共通して作業できるように、やるべきこと、やり方を明確にしていきます。
注意点として、
- ムリ・ムラ・ムダがないこと
- 項目ごとに、一番大切なことを記載する
- 目的→仕事の流れ→注意点→トラブル対応→大切なことの流れで作成
上記を意識して作成します。
思い描く理想のお店へとチャレンジする仕事
教育するためにもお、お店を営業していくためにも必要なこととして、
店長がどんなお店にしていきたいかの理想を持つ
ということが必要です。
そこを明確にして、スタッフに示せていないと、それぞれの行動にムラがでます。
意思の疎通と情報の共有をしていかなければいけません。
スタッフ自身の長所ややりがいを発揮させる仕事
全員を同じレベルに育てようとするのではなく、それぞれのスタッフの長所ややりがいを伸ばしていける、個々のマニュアルが必要だとされています。
マニュアルを暗記するスタッフを育てることではなく、エキスパートスタッフを育てること
が必要になってきます。
評価の考え方
今までは、評価とはできている事とできていない事を明確にする作業、と思っていました。
そうではなく、この本では、
✖︎を探すことではなく、✖︎を◯に変えるためのもの
と表記されています。
トライアングルコミュニケーションにある、会社(お店)・スタッフ・お客様、3点の思いのすり合わせです。
何ができていないか?それ以上に、どうすればできるのか?を考えることが評価ということになります。
3つのTODO
この本から学び、やってみようと思った3つは
- 店のビジョンをしっかりと描き、スタッフと共有する
- 3つのマニュアルの作成
- 20秒ミーティングを意識
となります。
店のビジョンをしっかりと描き、スタッフと共有する
良い店にしたい。
お客様に満足してもらいたい。
など、おぼろげな言葉ではなく、
◯◯するためには、●●していかなければいけない!
といった、強いビジョンと意思が必要だと感じました。
スタッフとの対話は、きびしさよりも熱さが必要、という言葉が印象的でした。
3つのマニュアルの作成
前に書いたマニュアルも、しっかりと作成していきます。
よくあるのが、完璧なものを作り上げようとするあまりに、結果全くできない。
ということにならないように、まずは30点でもいいから作り上げる!
そこから磨き上げて100点を目指していく!
30は低いかな。。。60点で。。。
出来が悪くてもまずは完成させてみることが大事!
日々の20秒ミーティングを意識
ミーティングというと、時間をとってしっかりと座って対面でとことん話す、と考えられがちです。
そうなると、なかなかミーティングの時間が取れなくて・・・、といった事態にもなります。
少しでも話す!
それもれっきとしたミーティング!
それがだんだんと積み重なると大きな成果につながります。
どんなことでも積み重ねることが大事。
まとめ
この本では、1年を73日で5つに分けて段階的に育成していくことを推奨しています。
なぜ73日なのか?は、詳しくは本を読んでもらうとして、マニュアルや教育も段階的にやっていく必要があります。
全アルバイトとの意思に疎通(心の同化)、そのための道筋を明確に示せる店長のビジョン!
料理が遅い!とう指摘があったのに、『このスタッフの課題は笑顔での接客♪』なんて、ズレたことにならないように、森の視点をしっかりと持つ!
そんな中でも、スタッフ一人一人に寄り添った木の視点。
人を育てる仕組みと著者の考え方がしっかりと書かれている本でした。
現場に必要な考え方がしっかりと書かれている本なので、教育に悩んでいる人は読んでみてもいいかもしれません。
少し大変そうではあるけど、マニュアル作成早めに完成させてみよう。。